道具商の古物営業例:総合リサイクルショップ
古物13区分のうち、「12区分以外のもの」が該当
ざっくり言えば「日常的な家庭用品全般」が対象となります。それ故、「道具商」というジャンルに専門性を見出しにくいところでもあります。ただし、「楽器」と「メディアソフト類」はある程度専門特化しやすいかもしれません。
- 家具・食器のような生活・家庭用品
- オフィス家具
- ゴルフクラブ・釣り竿などスポーツ用品
- デジタルオーディオ
- 楽器
- ゲームソフト
- コンピュータソフト
- レコード
- CD・DVD
楽器
断捨離中に、学生時代に使っていた楽器を発見!でも、今は全く使っていないのでメルカリに出品しようかと思うのですが、そのような場合でも古物商許可証は必要ですか?
ご自身で使っていた楽器であれば、古物商許可証を取得する必要は特にありません。それにしても、思い入れや愛着のある楽器を転売するとは、ずいぶん勇気のいることをしますね。
過去のことは過去のこととうまく割り切って、楽器を売ってそのお金で旅行にでも行こうかと思います!
いいと思いますよ。ただ、例えば売ったお金を軍資金にして別の楽器を安く仕入れて再度メルカリやヤフオクなどで転売するとなると、古物商許可証は必要になってきますので、その点だけ注意してください。
実務上で楽器を査定する上で何かポイントはありますか?
実際に楽器を査定するにあたって、音が出るかどうかを判断するのは難しいところですが、その楽器はどこからどのようにして音が出るのか、構造を理解する必要はあります。
例えばトランペットの場合、マウスピースから息を吹くことにより音は出ることは出るのですが、実際に音を出すのは難しいですよ。全く楽器を触ったことがない人には音を出すことはできません。
しかし、トランペットは3本のピストンを押すことにより様々な音色を発することができます。このピストンが曲がっていたりすると、どんなに上手な演奏者が吹いてもスムーズに音を出すことが難しかったりします。
このように、その楽器が音色を発する「致命的な箇所」はどこにあるのかを理解する必要があるでしょう。先ほどのトランペットの場合、如何にベル(楽器の先端部分)が曲がっていても、ピストン部分が正常であれば、正常に音を出すことができます。しかし、逆にピストン部分が曲がっていてそれ以外の状態が正常であった場合、どんなに綺麗な楽器でも綺麗な音色を出すことは難しくなります。そうなると、その楽器は「ジャンク品」であると言えます。
弦楽器・管楽器・打楽器などの楽器類も「道具商」に分類されます。楽器は一定のニーズがあり、しかも音楽には無関係の人は基本的に来店しない為、ターゲットが絞りやすいと言えます。つまりターゲットに絞った品揃えをしやすいのが中古楽器専門店の特徴ではないでしょうか。
ただし、来店される方の知識に負けないだけの知識がなければいけません。販売する側も、自分が販売する楽器が何たるかを理解していなければならないのです。販売する側も購入する側も、共通して言える事は皆音楽が好き、ということです。
ちなみに、楽器の付属品や周辺機器などによっては道具商以外の区分も申請しなければなりません。教則本や楽譜等は書籍、チューナーやアンプ等は機械工具類に該当します。
管楽器(トランペット、トロンボーン等)
トランペットのような管楽器はバルブ(ピストン)部分が正常かどうかを確認してください。マウスピースから空気を送り込んで管を通して音が出ます。管が途中で曲がっていたりすると、奏者の上手い下手関係なく正常な音が出ません。
弦楽器(ギター、バイオリン、三味線等)
メーカー・モデル・シリアルナンバーを確認
ヘッドの表側や裏側における刻印・プリントや、サウンドホール内部のラベル及びネックブロック、ブレーシング等で、ギターのメーカー・モデル名・シリアルナンバーを確認します。
特にサウンドホール内部のラベルは暗く映りやすいので、撮影する際はピントを調整して明確に映るようにしなければなりません。
シリアルナンバーでわかること
楽器が作られた年代や真贋が分かります。年代によって査定額が変動する場合があります。特にヴィンテージなアコースティックの場合、年代によっては高値で取引される場合があります。確かに古い商品は査定額も低くなることが多いのですが、一概に古い=査定額が低い、というわけではありません。モノによりけりです。
画像を撮影する場合は、楽器本体全体とヘッドとボディを撮影
楽器は手で触れるものであり、経年劣化は免れないところです。表面と裏面、全体とヘッドとボディが分かるように撮影します。
傷やひび割れについては、一般的使用に基づいた傷なのか、不注意による傷なのかによっても査定額は変わります。また、その傷が塗装表面だけが凹んだような傷なのか、本体内部の木部まで到達した傷(打痕)なのかによっても査定額は異なります。
また、ネックプレートのような鏡面仕上げで反射するようなものは、斜め45度から撮影すると、撮影者が映り込みません。
ネック折れ
ネック部分については演奏において大きく左右されるポイントです。ここの箇所が折れている或いはひび割れ(クラック)がある、または修復歴がある楽器が多々あります。この箇所に不具合があると演奏に影響があるため、必ず確認するべきポイントです。
付属品について
楽器ケースやコード、チューナーなど、楽器の付属品もあれば査定の対象になります。特に楽器ケースは楽器ごとにサイズが異なるため、楽器ケースの有無は大きいと言えるでしょう。楽器ケースにモデル名が記載されている場合、楽器も当然同じモデル名でなくてはいけません。また、純正の楽器ケースとサードパーティーの楽器ケースとでは、当然純正の楽器ケースの方が価値は高いと言えます。
メディアソフト類(CD/DVD/ゲームソフト等)
CDやDVD、ゲームソフトで売れ筋はありますか?
CD
まずCDは厳しいですね。ライブストリーミングがありますから。かつてAKB48などが「握手券付きCD」を販売したときもありましたが、そのようなCDを買う人の目的はあくまで握手券であり、CDはおまけです。本来であれば逆なんですがね。で、その未使用未開封の同じタイトルのCDを大量に持ち込まれたりするわけですが、全国で同じような現象が起こり、そのようなCDは1円でも売れない場合が殆どです。
DVD・ゲームソフト
DVDやゲームソフト類に関しても、ピンキリです。どんどん新しいゲームが発売されますので、例えばPS2のような一昔前のゲームソフトは売れにくいといえます。
レトロゲームソフト
逆に、レトロゲームが一時的なブームとなり、ファミコンのソフトが海外の人からの注目を集めているため、それらレトロゲームのソフトをeBay出品するのもいいかもしれません。
「メディアソフト」はゲームソフトやコンピュータのソフトなど、ソフトウェア全般を指します。ちなみにゲーム機本体は「事務機器類」に分類されます。ゲームソフトだけを販売する店は少なく、大体の場合はゲーム機本体も併売していることが多いのではないのでしょうか。
ちなみにゲームソフトは万引きや窃盗被害が多い為、買取金額に拘わらず全ての取引に対して買取依頼者の身元確認と帳簿への記録をしなければなりません。
ブランド小物
家を断捨離していると、色々と細かいブランド品が出てきました。例えば財布とかブレスレットとかそういったものですが、それらをヤフオクとかに転売する場合も古物商許可証は必要ですか?
自分のものを処分目的で転売する分には必要ありません。あくまで、ビジネス目的で、最初から転売目的で買い取ったり仕入れたりしてそれらを高値で転売をするのであれば、古物商許可証は必要です。特にブランド品は高値で取引されることが多いです。ブランド品の中ではやはりルイ・ヴィトンが人気です。
財布を転売・出品する場合、小銭入れの部分など消耗箇所をしっかりと撮影・明記する必要があります。当然、状態が良ければ高値で取引されますが、状態が良くないとそれなりの値段にしかなりません。「状態の悪い財布=前の使用者の金運がついている→運気が良くない?」のような考えで、日本人からは敬遠される傾向があります。ブランド品の財布であっても、あまりに状態が良くないのであれば、高値転売はあまり期待できません。
キーホルダー・キーチェーン
ブランド小物のうち、プレゼント・贈答品などに使用されるのが「キーホルダー」または「キーチェーン」です。人それぞれ好みのブランドがあり、そのブランドを最も身近に感じられる存在なのではないでしょうか。バッグや財布などと比べて値段も手ごろである点が、プレゼントとしても使用されやすいのではないでしょうか。
アクセサリー・ブローチ
家にしまってあるアクセサリーやブローチなども、単体では値がつかなくともある程度まとめて出品すると高値になることがあります。拡大画像を多めに掲載するようにしましょう。色石を外して別のハンドメイド商品の材料として活用する、という方もいます。
高級食器
断捨離をしました!まず目についたのが食器だったので、これをメルカリに出品しようかと思うのですが、この場合古物商許可証は必要ですか?
私物の食器をメルカリに出品する程度であれば、古物商許可証は不要です。ただし、これに味を占めて、転売目的で調達・仕入れをしてメルカリに転売するとなると、古物商許可証は必要ですよ。
ちなみにどんなのが売れ筋ですかね?
食器はピンキリですね。100円でも売っていますし。やはりある程度名の通ったブランドやメーカーのものであればそれなりに値が付く場合がありますよ。実際に使わずに保管だけしているケースもあります。買った時の値段が高すぎて、使う気になれないんですよ。値段負けするというか。実際、フリーマーケットやらフリマアプリでも、食器はかなり出品されていますね。その中でも「未使用品」として出品されているものは、本当に一度も使わずに持ち主から手を離れる、といった流れなのでしょう。
鉄道関連グッズ
実家の断捨離中に、鉄道グッズが出てきました!ちょっとよくわからないのでとりあえずヤフオクとかに出品してみようかと思います。古物商許可証はその際必要ですか?
鉄道関連グッズは主にヤフオクで多く取引されています。古物商許可証についてですが、あくまで私物や実家にあったものを出品・転売する分には不要です。それはあくまで「処分」の範疇です。しかし、それに味を占めて「転売目的で」仕入れて出品・転売するとなると、古物商許可証は必要です。転売=ビジネスです。処分=ビジネスではありませんよね。
どんなものがよく取引されるのですか?
鉄道関連グッズは幅が広く、奥が深い世界ですよ。まず、代表的なのが「Nゲージ」です。いわゆる鉄道模型なのですが、線路の幅が9mm規格で作られているため、Nゲージと呼ばれます。これにより、異なるメーカーの車両を組み合わせたり走らせたりすることができます。もう少し大きいとHOゲージや、逆に規格の小さいZゲージなんてものもあります。
また、鉄道模型の動力源として、モーターがついている車両(モーター車)があります。一見しただけではこのモーター車が動くかどうかは、パワーパックと呼ばれるコントローラがなければわかりません。
線路の規格が違うと、走らせることができませんからね!他には?
昔の列車の行き先を表示する「サボ」というものがあります。車両の側面にはめるものです。ホーロー製です。
他にも「昔の時刻表」「記念切符」「行先方向幕」や、「Bトレイングッズ」「プラレールグッズ」など、とにかく幅広いです。これらをビジネス目的として転売する場合は必ず古物商許可証を取得しましょう!
フィギュア・おもちゃ・ベビー用品
断捨離していたら、昔遊んだおもちゃが沢山出てきました!さて、これらを処分するためにメルカリに出品・転売でもしようかと思うのですが、古物商許可証って必要ですか?
私物を処分する目的でヤフオクやメルカリに出品・転売する分には特に古物商許可証は必要ではありません。ただし、転売目的でヤフオクやメルカリなどから仕入れて、それらを転売するとなると古物商許可証は必要となります。
また、ベビー用品に関してはメルカリに出品・転売するといいと思います。子育て中のママがよく利用するフリマアプリは、やはりメルカリだからです。そうなると、ベビー用品や子供服、絵本やおもちゃなんかはメルカリにおいて売れ筋商品といえるでしょう。
出品の際、例えばぬいぐるみについては必ずタグを撮影して出品しましょう。また、サイズ表記も大事なポイントです。シミや汚れがある場合はその旨正直に記載します。セット販売しやすいのもぬいぐるみの特徴といえます。ぬいぐるみに値が付くかどうかは、そのキャラクターの人気度によるところではあります。やはりディズニー系のキャラクターは人気がありますね。
ボードゲーム類を出品する際はそのゲームの付属品に注意しましょう。一つでも欠けているとその商品価値が大いに下がりますので出品する際は必ず確認してください。
その他の商材
道具類の区分は、それ以外の12区分に分類することのできない、いわば「その他大勢」の商品群です。上記の商品以外にも、「お酒」「化粧品・香水・ライター」「古銭」は適切な区分が存在しないために道具類としてみなされる場合があります。この3項目をこのページに追加すると膨大な情報量になるため、別ページに記事を掲載しております。取り扱う予定のある方は是非参考にしていただければと思います。