よくテレビのニュースとかで「金が上がっている」と聞きますが、実際のところはどうですか?なぜ金相場が高騰しているんですか?今日は金いくらですか?
下のグラフをご覧ください。こちらは2011年10月1日から2020年7月31日までの金とプラチナの相場の変動を折れ線グラフで表したものです。青が金で赤がプラチナです。具体的な数値でいうと、2011年10月1日の金相場がg4156円であるのに対し、2020年7月31日の金相場はg7196円です。
ひゃあ~金の右肩上がり感がすごい!…でもプラチナは金に連動して上がるものではないんですね?
金よりもプラチナが高かった頃もあったのですが、ずいぶんと差が開いてしまいました。通常は金と連動してプラチナも上がることが多いのですが、2020年3月21日、ちょうどコロナの影響が出始めたころにg2331円という過去10年間で最安値を更新しました。その後持ち直しましたが金との差は開く一方。プラチナが安いというよりかは、金が高騰しすぎているためにプラチナが安く見えてしまっている感じではあります。
それだけ金が上がっているということなのですね。よくチラシに「金相場高騰中!」という文言を見かけますが、それはウソではないのですね。それでは、なぜこんなに金が高騰しているのでしょうか?
これはもう、「コロナによるリスク」としか言いようがないですね。コロナはパンデミックであるので、金相場にも影響します。また、地政学的リスクも関係があります。例えば先日レバノンで爆発があったときも、その直後に金相場が上がりました。少し前、トランプ大統領が就任した際もやはり金相場が上がりました。世の中はトランプ大統領がアメリカの大統領に就任することを「リスク」ととらえた結果なのでしょう。
今後、金相場はどうなっていくと思いますか?
個人的に注目すべき点が2つあります。
1つは新型コロナウイルスに対するワクチンが開発され、世に出回り、いわゆる収束状態になれば金相場も収まる(下落または暴落)のではないかと思います。いつかは新コロも収まって欲しいのですが、それとともに金相場も一気に下がるというか、新コロ前の水準に戻る日が来るのではないかと思います。
もう一つは…
アメリカと中国との関係です。例えばアメリカ国内で中国企業を締め出したり、アメリカの高官が台湾に訪問した際に中国軍機を飛ばして牽制をしたり、経済的にも政治的にも緊張状態が続いており、そこに元々リスクの高いトランプ大統領がさらに問題発言をしたりするなどすれば、翌日の金は上がったりします。ただ、それらは短期的なものであることが多く、新コロのような中長期的なものではありません。
結局、金相場は中長期的な視点と短期的な視点を組み合わせた上で成り立っています。一概に「これからもっと上がる」「今後は下がる」とは言い切れないし、予測するのは難しく、あくまで結果論でしか述べることはできません。ただ一つ言えることは、ここまでの金相場の高騰ぶりは本当に異常で、歴史的事実であることは確かです。
ちなみに今日の金相場は…
g7676円。100の位を四捨五入すれば約8000円です。どうにも止まりませんね。今、すごい時代の真っ只中を生きていることを実感しています。