法人申請の際の注意点

役員の数が多ければ多いほど、欠格要件に該当するリスクが増える

役員のうち一人でも、何らかの欠格要件に該当する場合は法人としての古物商許可証を取得・申請をすることはできません。役員の数が多ければ多いほど、欠格要件に該当するリスクが増えます。

主な欠格要件

  • 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 犯罪者
    • 懲役刑及び禁固刑の判決を受けた者
    • 罰金刑の判決を受けた者
      • 窃盗罪
      • 背任罪
      • 遺失物横領罪
      • 盗品等有償譲受け罪
      • 古物営業法違反
        • 無許可営業
        • 古物商許可の不正取得
        • 古物商許可の名義貸し
        • 営業停止命令違反(最も長くて6か月程度、最も短くて3日程度)行商を行う際に行商従業者証または古物商許可証を携帯していなかった
          • 品触れ相当品を届出しなかった
          • 警察(公安委員会)の指示に従わない
          • 他の法律に違反した
  • 暴力団員、元暴力団員、暴力的不法行為をする恐れのある者
    • 暴力団員
    • 暴力団をやめて5年経っていない者
    • 暴力団以外の犯罪組織にいて、集団的または常習的に暴力的不法行為をする恐れのある者(過去10年間に暴力的不法行為を行ったことがある者)
    • 『暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律』により、公安委員会から命令または指示を受けて3年経っていない者
  • 住居の定まらない者
  • 古物商許可を取り消されて5年経過しない者
    • 不正な方法で古物商許可を取得した、または古物商許可の取得時は欠格要件に該当しなかったが、取得後欠格要件に該当した
    • 6か月以上営業を休止していて、再開のめどが立っていない
    • 古物商許可証の取得後、6か月以内に営業を開始しなかった
    • 3か月以上所在不明になっている
  • 心身の故障により古物商または古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
  • 未成年者

ちなみに、法人申請の際に欠格要件に該当すると申請できないのは「非常勤取締役・監査役を含む役員全員」「管理者」です。役員や管理者に該当しない正社員やパート・アルバイトなどの一般従業員は含まれません。仮に一般従業員の一人が欠格要件に該当する場合であったとしても、法人の古物商許可証の申請・取得は可能です。ただし、管理者に一般従業員を充てることはあるかと思いますので、一般従業員が欠格要件に該当するかどうかを確認する必要はあります。

役員の数が多ければ多いほど、用意すべき書類が増える

略歴書・誓約書・住民票の写し・身分証明書は監査役も含む役員全員分取り寄せる必要があります。役員の数に比例して法人として古物商許可証を取得・申請する際の申請書類が増えることになります。これらの書類を取り寄せ、作成するだけでも膨大な時間が掛かると言えます。

法人申請の際に必要な書類一覧

  • 古物商許可申請書
  • 定款(事業目的に「古物営業」に関する記載があるもの)のコピー
  • 法人登記事項証明書
  • 5年間の略歴書(監査役も含む役員全員分)
  • 住民票の写し(海外の方は外国人登録証明書の写し・監査役も含む役員全員分)
  • 誓約書(監査役も含む役員全員分)
  • 役所発行の身分証明書(監査役も含む役員全員分)
  • ホームページ取引を行う場合、ホームページのURLを使用できる権限と疎明資料

主たる営業所と本店所在地は必ずしも同一でなくてもよい

主たる営業所は本店所在地にしなければならないわけではありません。あくまで、実際に古物営業を行う営業所を記入するようにしてください。

定款の「事業目的」の欄に、古物商に関する記載がなければならない

定款も法人として古物商許可証を取得・申請する際の申請・提出資料の一つです。その中の「事業目的」の欄に古物商に関する記載がなければなりません。ない場合は定款変更を行い、事業目的の欄に古物商・古物営業に関する文言を記載する必要があります。また、登記事項証明書でも事業目的を確認することができます。

定款の事業目的欄に古物商に関する記載を追加する場合、まず株主総会の特別決議で定款の変更をします。その後、本店所在地を管轄する法務局で変更登記申請を行います。その際は、定款を変更した株主総会議事録と、登録免許税3万円が必要となります。

古物13区分の中から正しい古物の品目を選択する

取り扱う商材によって区分が異なります。品目は慎重に選択する必要があります。「これでいいだろう!」的な感じで申請をすると、後で訂正・再提出をしなければならなくなってしまうかもしれません。

古物13区分一覧表

区分プレート表示物品例
美術品類美術品商絵画、書、骨董品、登録日本刀など
衣類衣類商婦人服、紳士服、子供服、着物など
時計・宝飾品類時計・宝飾品商腕時計、貴金属類、宝石類、指輪・ネックレスなど
自動車自動車商自動車、タイヤ、カーナビなどの部品
自動二輪車および原動機付自転車オートバイ商オートバイ、現付自転車及びその部品
自転車類自転車商自転車及びその部品
写真機類写真機商カメラ、レンズ、ビデオカメラなど
事務機器類事務機器商パソコン、FAX、プリンタなど周辺機器など
機械工具類機械工具商電動工具、工作機械、家庭用ゲーム機、家電など
道具類道具商スポーツ用品、楽器、CD/DVD、ゲームソフトなど
皮革・ゴム製品類皮革・ゴム製品商ブランドバッグ、靴など
書籍書籍商まんが、実用書、写真集など
金券類チケット商商品券、ビール券、株主優待券など

古物営業法施行規則第2条より

区分の異なる物品を新たに扱う場合や、扱う物品を変更した場合は、変更日より14日以内に公安委員会に届け出なければなりません。なお、古銭或いは趣味で収集された切手やテレカ等は本来の使用目的に従って取引されたものではないとみなされるため、古物には該当しません。

従業員一個人が古物商許可証を取得していたとしても、あくまで法人として古物商許可証を取得しなければならない

例え従業員や役員のうちどなたかが個人の古物商許可証を取得していて、それを法人としてそのまま使うことはできません。あくまで法人は法人名義の古物商許可証を取得しなければなりません。

自社の役員が、古物商許可証を取得している他社の役員を兼務することはできる

例えば複数のグループ会社を経営する社長が、各々の会社の古物商許可証の申請・取得することは可能です。会社によって取扱い商材が異なり、申請すべき古物13区分が異なる場合は、このように各々の会社の古物商許可証の申請・取得すると効率的です。

役員に外国人がいる場合

必要となる書類

住民票の写しの代わりになる書類(外国人役員が外国に住んでいる場合)

外国人役員が外国に住んでいる場合は日本に住所がない為、日本の住民票の写しを発行することができません。その場合、住民票の写しの代わりになる書類を提出する必要があります。何が必要となるのかは各警察署によりけりですが、大まかに言えば下記のような書類が求められる可能性があります。

  • パスポートのコピー
  • 公的機関が現住所を証明した書類
  • EMSなど郵便物の伝票のコピー

役所発行の身分証明書の代わりになる書類

外国人の方は外国籍なので、日本に戸籍がありません。それ故、役所発行の身分証明書を発行することがどうしてもできません。その場合、その身分証明書の代わりとなる誓約書のような資料を作成する必要があります。この資料の様式は特に決められておらず、管轄の警察署によって異なります。

役所発行の身分証明書を提出する目的は、「破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者ではないことを証明すること」にあります。それ故、破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者ではない旨が記載された誓約書を作成・提出する必要があります。また、この資料とは別に日本人2名以上が署名した証明書が必要となる場合があります。

必要となる在留資格

外国人が古物商許可証を申請・取得する上で必要となる在留資格は以下の通りです。基本的には下記の5つの在留資格以外では古物商許可証の申請・取得はできません。

※上記の在留資格への変更・更新の手続きも行政書士リーガルプラザへお任せ下さい。詳細はこちらのサイトをご覧ください。

必要となる日本語会話能力

特に外国人を管理者に選任する場合、警察官による立ち入り調査の際に受け答えができるだけの日本語会話能力が必要となります。