皮革・ゴム製品商の古物営業例:ブランド買取専門店
「皮革・ゴム製品」といわれてもピンときません。具体的にはバッグや財布などの革製品と考えてください。つまりは「ブランド品」です。
幅広い商品
一言に「ブランド品」といっても、LVやエルメス、シャネルなど有名な高級ブランドから名もなきブランドまで、そしてその中でバッグや財布などの様々な形状の商品があり、更にその中に「モノグラム」や「ダミエ」などの柄が存在します。また、現在のものも30年前のものも、ヴィトンはヴィトンです。その間、廃盤となった商品もあり、それを考えるとブランド品はもはや無限に存在すると言っても過言ではないのでしょうか。
コピー商品、フェイク商品の見極め
ブランド品を買い取る際、ポイントとなるのがコピー品・フェイク品と真正品との見極め・真贋といったところです。ただし、ここでは「本物」「偽物」という表現は使いません。ブランド品を取り扱う店により基準が異なるため、「基準内」「基準外」という言葉を使用します。ある商品に対して、店舗Aでは「基準内」として売却ができても、店舗Bでは「基準外」で売却ができなかった、ということも起こり得ます。
ブランド品を買い取る側も真贋のリスクがある上、ブランド品をヤフオクやメルカリで購入する側もリスクのある商材といえます。それは、出品する側がいくら「真正品」「本物」として出品しても、購入する側の受け取り方次第でいくらでも「これは偽物だ!」と主張できてしまう可能性があるからです。ですので出品する側も安易に「本物保証」などという文言を使うべきではないでしょう。
ブート品とは?
「ブート品」という言葉を聞いたことがありませんか?これは早い話が偽ブランド品であり、ブランドのロゴを無断で使用してTシャツなどを作成し、原宿などで若者向けに販売しています。れっきとした違法行為であり、ブランド品を取り扱うものとしては到底許しがたい商売ですが、安価で手に入るということで一部の若者に受けているそうです。若者のブランドの価値に対する認識がずれているのですが、本当のブランドというものは材質も作りもしっかりしており、本物を長く取り扱っていればいるほど、そのブランドの本当の価値が分かってくるものです。ブランド品を取り扱う古物商としては、是非とも正しいブランドの価値を何らかの形でPR・啓蒙していければと思います。
ブランド品の買取注意点
ハイブランドをしっかり覚えましょう
ハイブランドとは、ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルの3大ブランドのことです。これらのブランドの商品はリユース品であっても値崩れしません。ブランド品を買い取る側にしても売却する側にしても、金額が期待できるのはこの3つのブランドです。
コンディションに要注意
バッグの場合は角が擦れているかどうかなど、商品の使用状況によって劣化するポイントはある程度限られています。そのポイントを押さえましょう。また、外観だけでなく、「におい」もポイントです。ものによってはタバコ臭かったり、脱臭剤のにおいがきつかったりするとマイナスのポイントとなります。
真贋に気をつけましょう
色々なブランドで色々な偽物が出回っています。買い取る際も当然注意しなければならないのですが、それらを販売、とくにネット販売する際も注意が必要です。つまり、販売する側としては正規の商品として販売したものの、購入者が後から「これは偽物だ!」とクレームをつけたりすることがあったりします。買い取るのも難しいし売るのも難しいのがブランド品なのです。
先日、偽のブランド品をフリマアプリなどSNSで販売した者が商標法違反の容疑で逮捕されました。その偽ブランド品をどのように入手したのかはよくわかりませんが、正規店で購入したものではないことは確かです。偽物と知って転売する場合はもちろんダメですが、偽物と知らずに転売した場合も「商標法違反」として処罰されます。
押収点数が「2000点」であることから、ビジネス目的で転売していたことは明らかです。「コピー品」「ブート品」として仕入れたりした可能性はあります。押収点数からしても、自分自身で使うような量ではない為、悪質といわざるを得ないでしょう。それが古物かどうかに関係なく、こういったコピー品やブート品を扱う行為は犯罪であるということを、販売主は強く認識するべきです。
付属品の有無について確認しましょう
例えばプラダなどはギャランティーカードの有無を確認しましょう。また、例えばブランドの食器などは本体と共に元箱がないと価値が下がる場合があります。
ブランドの紙袋も?
貯まったブランドの紙袋も、まとめてネットオークションに出品するとある程度の値が付く場合があります。特にルイ・ヴィトンの元箱は下手な段ボールよりも頑丈なので、元箱単体で値が付く場合もあります。捨ててしまうのはもったいないかもしれません。
財布について
財布を転売・出品する場合、小銭入れの部分など消耗箇所をしっかりと撮影・明記する必要があります。当然、状態が良ければ高値で取引されますが、状態が良くないとそれなりの値段にしかなりません。「状態の悪い財布=前の使用者の金運がついている→運気が良くない?」のような考えで、日本人からは敬遠される傾向があります。ブランド品の財布であっても、あまりに状態が良くないのであれば、高値転売はあまり期待できません。
ブランド鑑定まとめ
- 3大ブランドをとにかく押さえましょう
- 商品の状態を必ず確認しましょう
- 買い取る際も販売する際も「偽物」のリスクがつきまといます
ブランド品の転売
最近全然使っていないブランドバッグが出てきたので、メルカリとかに売っちゃおうかと思っています。その場合、古物商許可証は必要ですか??
自分のものを単に処分目的で出品・転売する分には、古物商許可証は不要です。ただし、それをビジネス目的で転売するとなると、古物商許可証は必要です。いくつぐらい出品する予定ですか?
せいぜい2~3個ですかね。
それぐらいであれば全く問題ありません。いくら自分のものとは言え、数十点もあるような場合、「本当に全部自分のもの?」と疑われるかもしれませんね。ブランド品と言ってもいっぱいありますからね。
ブランド品の出品・転売の際に気をつけるべきことは何ですか?
そもそも、ブランド品をヤフオクやメルカリに出品すること自体がリスクがあります。落札者によっては、やたら真贋を疑う人がいます。平たく言えば本物か偽物か、ということです。出品する側としたら、「これは完全に本物です!」というのを証明するのは結構難しいというか、大変な作業です。
本物を証明するためにどんなことをすればいいのですか?
例えばルイ・ヴィトンであれば、機番が見えるように撮影する、プラダの場合はギャランティーカードを必ず添付する、タグがあればタグもきっちり撮影する、といったところでしょうか。
他にどんなことに注意すればいいですか?
写真で見たものと現物のギャップを少しでも埋めなければなりません。例えば、バッグであれば4つ角の擦れ具合を撮影した上で商品詳細においてもその旨記載する、持ち手などのヌメ革及びその周辺にシミがあればそれも撮影します。あとは、写真全体が暗すぎたり明るすぎたりすると、「写真と現物の色が違う!」というクレームにもなりかねません。
ブランド品を出品・転売するのって結構大変なんですね。
大変ですよ。ブランド品の偽物に対する見極め・鑑定力も試されます。古物商許可証を取得することよりも難しいです。時間と手間を節約したいのであれば、買取店に持ち込んで買い取ってもらうのが結局無難かと思います。
物品例
- ブランドバッグ
- 鞄
- 財布
- 靴
- 毛皮類
- 化学製品(ビニール製、レザー製)
ブランド品の一例(ルイ・ヴィトン)
スニーカー製品の一例
写真のものはナイキのエアマックスです。多種多様なスニーカーが販売されており、限定モデルはプレミア価格がつく場合もあります。ただ、金額を左右するのはコンディションと元箱の有無、といったところではないでしょうか。つまり、普段使いをするなら当然靴底は汚れますし、元箱もない可能性が高いでしょう。コレクション目的で保管されていたものは未使用品の状態で保管されていることが多いです。しかし、「未使用のまま保管」といっても日本は湿気が多い国であり、そのなかでそのスニーカーがどのように保管されていたのか、保管方法によって「未使用品」のコンディションが異なります。確かに靴底は汚れていませんが妙にカビ臭かったり、逆に色焼けがあったりしますので、買取の際は依頼人の「未使用品」の申告をうのみにせず、慎重に状態を見るようにしてください。出品する際はタグも必ず撮影します。