古物商許可とは、中古品を転売する事業者の方が取得しなければいけない営業許可です。
比較的取得が簡単な許可と言われており、近年の転売ビジネスの人気と共に取得者が増えています。
しかし、審査基準が緩いと言われる古物商許可も誰でも通るわけではなく、申請したものの許可を得ることができなかったという方も中にはいます。
では、どのような方が古物商をとることができないのでしょうか?
今回は古物商の営業許可がおりない理由について見ていきましょう。
古物商の申請が通らない理由
古物商の申請が通らない理由には、
- 申請者の不注意である場合
- 古物商許可の欠格要因に当てはまっている場合
以上の2種類があります。
1の場合は正しく手続きをすれば通る可能性がありますが、2の場合は取得することを諦める必要があります。
古物商の許可申請には費用がかかりますので、自分が該当していないかどうかをチェックしておくようにしましょう。
必要書類が揃っていなかった
古物商の営業許可を受けるためには、手続きに必要な書類を揃える必要があります。
この書類が間違っていたり、必要なものがすべて揃っていなければ許可がおりることはありません。
申請する都道府県や市区町村によって書類が異なるというケース(いわゆるローカルルール)もありますので、事前に自分が申請する必要のある警察署に確認しておきましょう。
管轄の警察署が違う
古物商の営業許可を申請するのは、事業を行うメインの事務所(主たる営業所)の住所を管轄している警察署です。
しかし、主たる営業所の住所と自宅の住所が異なる場合、誤って自宅の住所の管轄警察署へ申請してしまうという方は多くいます。
また、複数の営業所がある場合にも申請場所を間違うというケースは多くあるので、注意が必要です。
営業所の準備をしていなかった
中古品を転売したいと考えている方の中には、ネット取引だけで成立させるという計画を立てている方もいるでしょう。その場合、
自宅で古物営業をするので店舗がなくても大丈夫♪
と思っている方もいると思いますが、古物商の営業許可において自宅で古物営業する際は、自宅を主たる営業所として登録する必要があります。
場所によっては営業所と認められないケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
定まった住所がない
当然ですが、住所がない方は古物商の営業許可を取得することができません。
住所がない方は転売業をやれる状態ではないと見られてしまうからです。また、添付書類として住民票が求められるため、住民票がなければ古物商許可申請は却下されます。該当する方はほとんどいないと思いますが、注意しておきましょう。
未成年の方
さまざまなネットビジネスの人気に伴い、10代のうちから自分で事業を始めるという方も増えてきています。
しかし、未成年の方は現状の法律では成年者と同様の能力がないとみなされるため、古物商の営業許可を取得することができません。
転売ヤーもとい転売ビジネスをやりたい方は成人してから古物商を取得して始めるようにしましょう。
破産手続きを開始して復権を得ていない
破産手続きを行っている方の中で復権をしていない方は古物商の営業許可を取得することができません。
復権とは破産の時に失われた権利を取り戻すことで、破産手続きと同時に行われることが多いです。
しかし、ギャンブルのやりすぎや名義貸しなどをしていると免責を受けることができないため、古物商の取得はできません。
5年以内に犯罪を犯した
5年以内に犯罪を犯して禁固以上の刑罰となった方や一定の犯罪で罰金刑に処された方は古物商の営業許可を取得することができません。
ここでいう一定の犯罪とは、背任罪、遺失物・占有離脱物横領罪が該当します。また、古物商の資格を取得せずに営業していたり、許可を不正取得している場合等も一定の犯罪に該当します。
ただし、万が一何かしらの犯罪を犯していても5年を経過していれば取得することが可能となります。
該当する方は5年経過するのを待って申請を行いましょう。
暴力団員・元暴力団員・暴力的不法行為をする可能性のある人
犯罪を犯してしまった人でも古物商の免許を取得することができますが、暴力団員は生涯古物営業許可を取得することができません。
ただ、暴力団を脱退した方は5年経過すれば許可の取得が可能となります。
また、暴力団員でなくても警察が暴力行為をする可能性がある人物と判断した場合には申請が通らないこともあります。
古物商許可を取り消されて5年以内の人
元々古物商の許可を取得していて、古物営業法違反によって許可が取り消されてしまった場合には、5年以内に再度取得することができません。
以前の古物商の営業許可が法人だった場合、その当時の役員もこの要件に該当します。ただ、自分で返納をした場合にはすぐに新しい申請をすることができます。
まとめ
いかがでしたか?古物商の申請許可が通らない理由はさまざまです。
自分が提出した方法が間違っている場合もあれば、欠格要因に当てはまってしまっているというケースもあるでしょう。
古物商の申請には費用がかかりますので、事前に自分が該当していないか、書類のミスがないのかをきちんと確認してから警察署に行って手続きを行うことをおすすめします。