時計・宝飾品商の古物営業例:ジュエリー買取専門店
10年以上前のリーマンショックや昨今のコロナショックなど、世界的な恐慌が起こると安全資産と呼ばれる金を買う動きが強まり、金相場が上昇する傾向にあります。特にテレビなどのメディアで報道されると、貴金属の持ち込みが増えたりもします。
貴金属を買い取る際の真贋のポイントって、例えばどんなものがありますか?
オーソドックスな貴金属(色石がついていないシンプルな指輪やネックレスなど)を買い取る場合、まず刻印を確認します。刻印というのはK18とかPT900とか、その商品のどこかにあります。
次に比重を確認します。例えばK18の刻印のある商品があるとして、それが本当に18金の比重があるかどうかを比重系を使用して検査します。
あとは、磁石検査や試金石検査という方法もあります。磁石検査とは、磁石を近づけでもくっつかないかどうかを見ます。くっつかなければ〇、くっつけば×です。試金石検査は、試金石と硝酸を使用し、試金石にその商品を少しこすって、その上に硝酸を数滴たらします。そこでこすった跡が残れば〇、消えると×です。
正確に検査するとなるとX検査のような大掛かりな機材が必要となり、それはそれで大変なので、上記のような検査を行った上で真贋を判別する、というのが一般的な方法かと思います。
なお、貴金属の偽物情報に関しましてはネットジャパン様のHPに公開されておりますので、ぜひ一度ご確認いただければと思います。
メッキかどうかを判断する
製品に対して磁石をつけてみてください。それで磁石にくっつく場合はメッキです。金メッキなどで覆われている金属が磁石に反応するためです。
他にも試金石にこすって硝酸をつけたり、X線分析をしたりなど貴金属の検査方法は多々ありますが、すぐに誰にでもできるのは磁石検査です。ぜひ試してみてください。
金種を調べる
金種というのは、18金とか純金など、金がその製品にどれぐらいの比率で含まれているかの指標のようなものです。純金は24金とも呼ばれます。それに対して18金というのは4分の3が金で出来ており、残りの4分の1はそれ以外の金属を混ぜて作られている、ということです。当然、金種が高ければ金相場の単価も高くなります。
ただし、ネックレスや指輪などに書かれている「K18」などの金種の文字はかなり小さく書かれており、もしかしたらルーペで見ないとみえないかもしれません。
また、東南アジアなどで購入した金製品の中には、製品の表記よりも金の含有量が下がる場合もあり、あるいは金種の表記がそもそもない場合もあります。その場合は比重計などで調べるしかありません。
重量を調べる
製品の重量をはかりで調べます。ただ、はかりなら何でもいいかというとそんなことはなく、2年に1回、各都道府県の指定定期検査機関による定期検査が入ります。検査に合格すると定期検査済証印が付されます。これにより、この秤は正確です、というお墨付きを得られたことになります。
そしてそのお墨付きを得られた秤を使用して貴金属製品の重量を図ります。貴金属の査定をするにあたり、この「重量」というのは非常に大事なポイントとなりますので、ちゃんとしたはかりで測る必要があるのです。
金相場を調べる
金相場は公表されています。平日は毎日更新されます。ただ、コロナの影響により金相場が高騰している状態が続いています。これは、それだけコロナによる生活上・社会上におけるリスクや不安が世界中に蔓延しているため、安全資産である金が買われ、金相場が高騰する、という仕組みです。つまり、コロナのようなパンデミックなリスクが発生する前は比較的落ち着いていました。ところがコロナが発生して金相場が高騰し、それがテレビのニュースなどで報道されると、家の中の貴金属を探してリユース店に売却に行く、という人が多いのです。
こういった貴金属製品はあまりメルカリなどで転売しない方がいいのですか?
はい、貴金属製品はメルカリなどフリマアプリでは転売しない方がいいと思います。金相場も乱高下している状態ですし、例えば指輪などはサイズも固定されていますし、何より「本当にこれは金なのか?」みたいに自信がない場合は(自身があったとしても)、やはりリユース店舗に行って現金化するのが一番だと思います。
商材によっては転売に向いている商材もあればそうでない商材もあります。貴金属製品はまさに「そうでない商材」といえます。
そうなんですね~。ちなみに、ダイヤモンドの鑑定についても何か教えてください!
ダイヤモンドは4Cの理解が全て
ダイヤモンドの「4C」とはColor,Carat,Clarity,Cutの頭文字をとったものです。
Colorとは色です。無色であるほど評価が高く、黄色の色味が強くなればなるほど評価が下がります。
Caratとはダイヤモンドの重量のことをいいます。厳密に言えばサイズではありません。リングなどの裏側にカラット表記があります。
Clarityとは内包物の割合や表面の傷などの評価です。肉眼で見えるもの、ルーペでしか見えないものなどにより評価が分かれます。
Cutとはダイヤモンドの切り口の形状の評価です。ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドに対して5段階の評価がされます。
上記の4Cに加えて、蛍光性も確認する必要があります。蛍光性はブラックライトを当てる事で確認出来ます。ブラックライトを当てて青白く光る場合、そのダイヤモンドは蛍光性が強いということとなり、評価は下がります。
ダイヤモンドの鑑定は経験がものを言う
上記の4Cのうち、特に経験がものを言うのは「Clarity」と「Cut」です。人によって評価が分かれる部分です。現物に勝る資料はありません。鑑定書と現物を見比べてみましょう。
色石はダイヤモンドほどリユースの価値は高くない
サファイアやルビー、エメラルドなどの色石は、ダイヤモンドほどのリユースの価値は高くありません。買った時の金額と売るときの金額のギャップがどうしても大きくなってしまいます。
鑑定書と鑑別書の違い
まず、鑑別書はダイヤモンドに限らずどの石に対しても発行されますが、鑑定書はダイヤモンドに対してのみ発行されます。しかも、発行機関や発行時期によって鑑定書の評価の信憑性が分かれます。鑑定機関や鑑定時期によっては現物よりも評価が甘かったりします。
メレダイヤについて
リングやブローチの中には、色石を中央に配置して、周りに粒状のダイヤモンドをちりばめたデザインのものがあります。この粒状のダイヤモンドを「メレダイヤ」といいます。メレダイヤ一粒一粒に対して評価するのは困難ではあるのですが、カラー若しくは蛍光性を評価することができます。蛍光性を評価するにはブラックライトを当てます。そうすることにより、青く光るものは蛍光性が強い為、評価が低くなります。逆にブラックライトを当てても青く光らないものは蛍光性がなく、評価が高くなります。
人工ダイヤについて
近年、中国が国家を上げて人工ダイヤの製造・生産をしています。人工ダイヤはインクルージョンがなく、ダイヤの側面に刻印があるなどの特徴がありますが、ダイヤモンドテスターにも反応するため、ダイヤモンドテスターだけでは判別がつきません。
また、質のいい人工ダイヤも流出しているため人工ダイヤの価格が上がり、それとともに本来の天然ダイヤの相場が下がっております。決して高値安定とは言えない状況であり、買取の際には注意が必要です。
ダイヤモンドの鑑定まとめ
- まずは4Cの理解からであり、それが全てといっても過言ではありません
- 経験がものを言います。現物と鑑定書を見比べましょう
- 色石はダイヤモンドほどのリユースの価値は高くありません
貴金属製品の一例
- メガネ
- 宝石類
- 指輪
- ネックレスなどアクセサリー類
- 貴金属類
- 模造小判
- オルゴール
金貨・小判
金貨や小判は日本国内だけでなく、世界的にも数多くあります。また、金種も24金のものから22金、21.6金など様々です。これら金貨や小判は、場合によっては古銭に分類されるものもあります。明治時代の20円金貨や江戸時代の天保小判などが有名なところです。しかし、偽造品も出回っているため、買い取る際は貴金属と同様の確認が必要です。
インゴット
インゴットとは、「金塊」「ゴールドバー」「金の延べ棒(板)」のように呼ばれることもあります。指輪やネックレスなどのジュエリーなどとは異なり、資産価値として所有するための貴金属です。大きさは1gから1kgまで。1gの印ごととは、テレホンカードサイズのパウチされたカレンダータイプのものが多いです。
インゴットには「発行元」と「重量」の刻印があります。その中で海外製のインゴットは、金の密輸などの犯罪行為が多発した影響で、卸すことができない=買取ができない場合があります。
なお、200万円以上の買取になると、買取依頼人は支払調書を記入しなければなりません。詳細は「貴金属売却にまつわる税金知識」の記事をご覧ください。
金歯
「金歯を買い取る」と聞くとゾッとする方もいるかもしれませんが、食べかけの食品がそのままついているとかそういうわけではありません。思っている以上に衛生面においてはまず問題はありません。もしかしたら買取依頼人の方が心理的に抵抗があるかもしれません。しかしながら、金歯は18金です。れっきとした金製品です。ただし、重量を図る場合は注意が必要です。金の部分だけの重量が必要なのですが、歯茎などもセットになっていることが多々あるため、買い取る際は総重量から歯茎などの金以外の部分を除いた概算の重量を提示しなければなりません。
金縁めがね
「そもそもメガネを買い取ることができるのか?」という問題に関しては、「条件付きで買い取れます!」と答えることができます。それは、眼鏡という商品としてではなく、フレームが14金などの貴金属で出来ていた場合、つぶしとして買い取ることができます。その際、レンズは対象外です。稀にブランドもののメガネもありますが、その場合は商品として買い取ることもできます。度が合うかどうかはその人によりけりなので、通常使用する場合はレンズを付け替えて使用するものであるかと思います。
フレームとして使用される金種は14金が多いみたいです。ただし、最近のメガネは軽量かつ丈夫に作られているため、14金フレームが重くて使いにくい→売却するという方も多いです。
ダイヤモンド・色石製品
ダイヤモンド色石は買った時の値段に比べて査定額は大幅に下がるのが現状です。特にダイヤモンドの4Cが金額を左右するため、慎重に査定する必要があります。
ちなみに、パールやカメオなどをまとめてヤフオクやメルカリに出品しているケースもあります。これらを落札する人は主に手芸を趣味としている方が多く、何か作品を作るにあたり、そういった色石のルースを求めている方は一定数います。
真珠(パール製品)
真珠のネックレスなどのパール製品は、天然物か養殖物かで評価が分かれます。当然天然物の方が評価が高いのですが、天然物と養殖物の見分け方としては、パール同士をこすり合わせたときにザラザラしているというか、抵抗感がある場合は天然物です。逆にツルツルしていて抵抗感がない場合は養殖物です。ただ、天然物であるがゆえパール製品に中古相場は基本的に存在しません。あくまで天然物が販売されるのは新品のみであるとお考え下さい。
カメオ
カメオとは主に貝殻などに女性の肖像画などを浮彫をした装飾品です。ブローチやネックレスなどジュエリー製品として用いられます。例えばK18の枠組みで作られたカメオのブローチは、カメオを外してK18の枠組みを貴金属として卸すことが多いのですが、残ったカメオを集めるとそれなりに値が付きます。カメオを再利用してハンドメイドアクセサリーを作成する方もいます。貴金属としての直接的価値はなくとも、リユースとしての魅力を存分に秘めているものであると言えます。
水晶関連商品
水晶は、例えばダイヤモンドやルビーのように石そのものに価値がつくものではありません。おそらく購入時の価格は高いのでしょうが、中古相場が基本的に存在しない商品であるため、売却時にはほとんど値がつかない者であるとお考え下さい。たまに下のような「認定書」が付属している場合もあるのですが、査定価格にはさほど影響はありません。
時計・宝飾品商の古物営業例:ロレックスなど高級腕時計専門店
ロレックス等の高級時計に関しても実は資産価値があります。購入したときの金額と現在の販売価格は決して一律ではありません。デイトナやGMTマスターIIなどの人気モデルや金無垢・ダイヤ付などのモデルは特に変動があります。主に中国や香港、UAEなどの富裕層が好んで購入するケースが多いです。特に彼らは金無垢の時計を好む傾向がありますので、金無垢のロレックスは要チェックです。
ロレックスやオメガなど、ブランド時計に関する鑑定のポイントがあれば教えてください。
ギャランティーカードの有無を確認しましょう
特にロレックスの場合、購入時に「ギャランティーカード」が付属します。それがあるかどうかで買取価格も変動します。「真の所有者」であればギャランティーカードも保存しているはずです。ギャランティーカードに記載されているシリアルナンバーと時計に刻印されているシリアルナンバーが合致していなければなりません。これで真贋の証明は大体OKだと思います。ただ、最近は巧妙に作られた偽物・コピー品も残念ながら多数出回っており、しかもギャランティーカードのコピー品まであるようなので頭が痛いところです。
ベルトのコマの有無を確認しましょう
コマを追加したり外したりすることによりベルトのサイズを調整します。ベルトのコマがないとベルトの長さを調節することができなくなり、ある一定の腕の太さの人にしかフィットしない腕時計となってしまいます。真贋に問題がなくても、ギャランティーカードがあったとしても、自分の腕にフィットしなければ使用することができないので、結果として腕時計としての価値がなくなります。
コマがない時計は評価が大きく下がることになります。ものが小さい為なくしやすいのですが、そういった付属品を丁重に扱っているかどうかも一つの査定のポイントといえます。
ベルトのブレスの取り外しができるようにしましょう
腕時計専用の工具セットはアマゾンなどにも販売されています。腕時計のベルトの取り外しに使用する精密ドライバーは特殊であり、取り外しにあたってコツがあります。何度も練習する必要があります。
自信がなければ一旦預かりましょう
真贋に自信がない場合は「慎重に査定する必要がある」といいつつ一旦預かりましょう。基準外の商品を持ち込む客は、この「預かり」を大体嫌がります。
アフターダイヤに気をつけましょう
「アフターダイヤ」とは、時計を購入した後に付けた、いわゆる「後付け」ダイヤです。これらは純正のダイヤではないため、価値が下がります。
ブランド時計の鑑定ポイント
- ギャランティーカードやコマなど付属品を確認しましょう
- 真贋に自信がなければ預かりを提案しましょう
- ベルトの取り外しができるように練習しましょう
時計製品の一例
- 腕時計
- 置時計
- 万歩計
時計はピンキリです。単品で値のつくものもあればつかないものもあります。ブランド物やそれを模したもの、腕時計に懐中時計、企業コラボものなど、多種多様な時計が世に出回っています。
出品の際は、単品で値が付くかどうかをしっかりと見極める必要があるでしょう。単品で値がつかない場合はまとめて出品します。単品で値が付く場合、動作確認と付属品の有無についてもチェックします。
G-SHOCK
とにかくタフで幅広い世代からの支持があるロングセラー腕時計が、カシオのG-SHOCKです。G-SHOCKは世界的に愛好家の多いタフな腕時計です。カラーバリエーションや企業・有名人とのコラボモデルも多数販売されており、なおかつ発売から年数も経っているため実に様々な個体が流通しています。種類はフェイスの形状や色、機能、ベルトの種類、更には限定コラボモデルなど多岐に渡ります。
素材は基本的にはラバーであるため、その部分の劣化があるかどうかを確認する必要があります。タフな時計であるために、タフな使用方法をしていた可能性も十分あるため、いくらタフな時計といえども使い方によっては劣化している固体もあります。Bluetooth搭載モデルやGPSソーラー搭載モデルなど、日々進化を遂げている、日本を代表する腕時計です。
店舗に持ち込まれる際の状態は、箱がついていないものも多く、また電池切れしているものもあるため注意が必要です。ベルトはラバー製のものが多く、経年劣化しているものも多く見受けられます。必ず確認しましょう。
GUCCI 8600M
時計全般に言えることとして、フェイスの状態は非常に重要です。ここに傷があったり亀裂が入っていたりすると評価が大幅に下がります。また、ベルトのヨレがないかどうかも大事です。
こちらのグッチ8600Mは、デイト表示が時計の6の位置にあることが一つのアクセントになっています。比較的状態も良く、ベルトのヨレもほとんどありません。
ロレックスの付属品の一例
ロレックスの本体ではなく、付属品もまた需要のある商品の一つです。やはり値打ちのある商品は、付属品単体もまた値打ちがある、ということでしょうか。ケースについては年代によってデザインやサイズ、色が異なります。当然状態が良ければ高値がつきます。アンティーク系のロレックスのケースは、ものが古い為、保存状態によって金額が大きく変動します。