許可証は相続できるの?
古物商の仮設店舗営業

古物営業法の法改正により、仮設店舗営業届を出すことにより仮設店舗を出店して買取等古物営業を行うことができるようになりました。

今まではどうだったんですか?

古物商許可を受けた営業所や客宅(=出張買取)に限定されていました。ですので、これで古物営業の幅が広がったことになります。例えばショッピングモールやスーパーの一画で古物営業ができるようになりました。
仮設店舗営業届出書

上記の書類は神奈川県警HPよりダウンロードした「仮設店舗営業届出書」です。各都道府県の警察署により書式・様式が異なる場合があるので、必ず確認して下さい。この仮設店舗営業届出書のポイントは開催場所の所在地を具体的に記載することです。例えば「2丁目付近」とか「ショッピングモール内」とか「リヤカーで移動しながら営業します」なんてものは、開催場所の所在地が特定できない為、却下となります。
また、この仮設店舗営業を行う場合、どこの警察署が管轄になるのかというと、仮設店舗営業を行う場所の警察署が管轄・提出先となります。例えば神奈川県に主たる営業所がある古物営業事業者が北海道のショッピングモールで「出張お宝鑑定・買取会」のような仮設店舗営業を行おうとする際は、この仮設店舗営業届出書は北海道警察に提出します。ただし、仮設店舗営業を行う場所の都道府県に営業所がない場合は、他の都道府県にある営業所の所在地の管轄警察署においても届出することができます。ちなみに郵送での届出は受け付けていません。

仮設店舗営業届出書はせめて郵送でも受け付けてほしいですけどね~
仮設店舗営業における注意点

古物商プレートって、主たる営業所の分しか用意がないのですが~

仮設店舗の分もご用意ください。提示義務があります。

提出期限と費用を教えてください!

提出期限は仮設店舗営業開始3日前までです。手数料は不要です。
仮設店舗営業における個人的見解

今までも「仮設店舗査定体験会」のようなことをやっている事業者は存在しましたが、仮設店舗営業ができるようになったことにより、その場で買取をすることが可能になったのです。ただ、買取をするということは現金の受け渡しをするということであり、仮設店舗におけるセキュリティが保たれるかどうかが不安ではあります。例えば椅子と机とテントだけを設置した仮設店舗であれば、そういったセキュリティ面における対策を講じなければなりませんし、お客様のプライバシーを考慮する必要もあります。実際、お金の受け渡しを公衆の面前で行われるのは、かなり抵抗があるのではないでしょうか。その場合はパーテーションを設置するなどプライバシー面を配慮した工夫が必要です。
上記のセキュリティ面とプライバシー面を十分考慮すれば、仮設店舗営業はやり方によっては今後非常に有望な古物営業の形といえるのではないでしょうか。私もいつの日かチャレンジしてみたいです。
古物商は、その営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所において、買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から古物を受け取つてはならない。ただし、仮設店舗において古物営業を営む場合において、あらかじめ、その日時及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出たときは、この限りでない。
古物営業法 第十四条(営業の制限)
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法人申請の際の住所の書き方について

法人申請の場合、住所はどのように書けばいいのですか?

法人申請の住所の書き方について、以下の通りにまとめましたのでご確認ください。
法人申請の場合、住所は下記の4通り
- 法人の本店所在地
- 法人の代表者の住所
- 主たる営業所の住所
- 主たる営業所の管理者の住所
1:法人の本店所在地
法人の場合、本店所在地が登記されておりますので、この本店所在地の住所を記入します。

2:法人の代表者の住所
代表者の居所・住所を住民票の記載通りに記入します。

3:主たる営業所の住所
古物営業を行う営業所(=主たる営業所)の住所を記入します。

4:主たる営業所の管理者の住所
1営業所につき1管理者を定めなければなりません。管理者の居所・住所を住民票の記載通り記入します。

法人申請の住所の書き方の注意点
1:法人の代表者=主たる営業所の管理者というわけではない
管理者は、いわゆる「店長」のような立場の従業員が就任することが多いです。ある程度のキャリアがあり、部下の従業員を統率できるだけの力があるスタッフが管理者に就任するのが望ましいです。もちろん法人の代表者がそのまま管理者に就任することも出来ます。
2:本店所在地=主たる営業所というわけではない
登記されている本店所在地がそのまま主たる営業所になるとは限りません。あくまで古物営業を行うのがどこになるのか、ということです。本店所在地でそのまま古物営業を行うのであれば、本店所在地が主たる営業所になります。本店所在地とは別の場所で古物営業を行う場合は、その場所が主たる営業所になります。
3:4つの住所記入欄の住所が全て同じであることもありうる
例えば本店所在地が代表者の住所と同一であり、かつ、そこで古物営業を行い、代表者がそのまま管理者に就任した場合、4つの住所記入欄の住所が全て同じということになります。4つまでとはいかなくても、複数の住所記入欄の住所が同じ住所になることは十分あり得る話です。

ちなみに、申請書の上部にも住所を書く欄があります。こちらに関しては法人申請の場合は法人の本店所在地を記入します。「法人の本店所在地」「法人名」「代表取締役 ○○」の順に記入するといいでしょう。
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お中元・お歳暮セール転売

お歳暮やお中元の季節が少し過ぎるとディスカウントして販売するイベントがたまに百貨店でやっているじゃないですか。あのイベントで購入した商品を転売する場合は古物商許可証は必要ですか?

食品は古物に該当しない為、それらを転売する場合においては古物商許可証は必要としません。ただし、注意点があります。
お酒を転売・販売する際は酒販免許が必要
よくありがちなのが発泡酒の詰め合わせセットなどをインターネットで転売・販売する、というケースですがこれは全然ダメです。

なぜダメなのですか?

お酒は古物ではないので、買い取る分には何ら問題はありません。ただし、それを転売・販売するとなると必ず「酒販免許」が必要です。それがなければ転売・販売することはできません。
また、インターネットで販売する場合は酒販免許のうち「通信販売酒類小売業免許」が必要となりますが、この通信販売酒類小売業免許で販売できるお酒は西洋酒と品目ごとの年間課税移出数量がすべて3000kl未満である製造者が製造・販売する国産酒に限られます。つまり大手メーカーのビールや発泡酒などは取扱いはできず、地酒や地ビールなどの生産量の少ない国産酒に限られます。
ですので、「発泡酒の詰め合わせセットなどをインターネットで転売・販売する」というのは二重の意味でNGなのです。
実はみりんもお酒の仲間

わかりました。あら、みりん♪みりんの詰め合わせが安いから、これを転売でもしようかしら。

あ、ちょっと待ってください。実はみりんもお酒の仲間なので酒販免許がなければ転売・販売はできませんよ。

ひやぁ~みりんもお酒なんですか?どう見ても調味料にしか見えないんですけど~~

確かにみりんは調味料に使われるのですが、飲用に用いられるアルコール飲料のひとつにも該当し、カテゴリとしては「混成酒」に分類されるんです。みりんをゴクゴク飲んでいる人は見たことがないのですが、分類上は一応お酒ということになっています。下の表は酒類の販売数量等報告書なのですが、その区分の中にも「みりん」があります。

ですので、いくら安売りしているからといって、酒販免許がないのに安易に「本みりん」とか転売しちゃだめですよ。

は~い。

ちなみに「本みりん」はアルコールが14%ほど含まれているのですが、「みりん風調味料」であればアルコールは1%未満であるので酒税の対象とならないため、酒販免許がなくても転売OKです。
参考サイト:酒販免許の広場