質屋とは?

「質屋営業」とは、物品(有価証券を含む。第二十二条を除き、以下同じ。)を質に取り、流質期限(りゅうじちきげん – 編註)までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業をいう。

質屋営業法 第一条より抜粋

上記の通り質屋とは、私有物を担保に取り、流質期限までに弁済を受けない場合、その私有物をもって弁済に充てる条件で金銭の貸し付けを行う事業者のことを言います。流質期限までに借入額と利息額を支払うことにより質草を手元に戻すことができます。流質期限までに弁済が行われなかった場合は「質流れ」となり、質草は質屋により他の顧客に売却されます。最短の流質期限は原則3か月です。

質屋には歴史があり、古くは古代ギリシアとローマ帝国、東洋では1500年前の中国の仏教の僧院に質屋のビジネスモデルが存在していたといわれています。日本の質屋の起源は鎌倉時代にあるともいわれており、庶民のために資金を融通してくれる身近な金融機関として非常に息の長いビジネスモデルであるといえます。

質屋営業を行うには

質屋営業許可証の交付までの流れ

1各種要件に適合するかどうか、営業所の物件はどうするかなど、弊所にてヒアリングをします。また、質屋営業許可は営業所ごとに必要となります。
2物件に設置する質物保管設備について内装業者を交えて打ち合わせを行い、内装業者が設備と店舗の図面を作成します。
3内装業者が作成した図面を管轄警察署に持ち込み、質物保管設備の耐火構造、大きさ、使用部材の詳細を報告し、協議を行います。
4内装工事前及び内装工事中に質物保管設備が壁・床・天井の耐火構造、使用部材等事前の指示通りの使用になっているか警察担当者により検査を受けます。
5質物保管設備完成後、警察担当者により防湿構造・防鼠構造・警報システム等最終的な検査を受けます。
6検査後、必要書類を揃えます。申請書以外の添付書類として、質物保管設備の設計図、断面図・ドア・警報システム・耐火ボード等の説明書等を内装業者から取り寄せます。
7必要書類が揃い次第、管轄警察署に提出します。
8申請後約50日前後で許可証が交付されます。

質屋営業を行うにあたっては、このような手順を踏む必要があります。それでは、各種要件や必要書類等を見ていきましょう。

設備要件:質物保管設備(質蔵)

※以下の設備要件は全て神奈川県の「質物の保管設備の基準に関する規則の解釈基準」より抜粋したものです。基準に関しては各公安委員会により異なる場合があります。

設置場所

保管設備の設置場所は、原則として営業所と同一敷地内とし、やむを得ない事情があり、質物の管理に支障ない場合には、営業所に近接する場所に設置できます。

防湿構造

保管設備の内壁、床等は、原則として防湿効果の高い板張りとし、防湿措置を必要としない質物については、除湿機等の使用をもって、防湿構造に準ずる扱いとします。また、防湿構造の措置が講じられていれば、保管設備を地下に設けることも差し支えありません。

防火設備

保管設備の主要構造部(壁、柱、床、はり及び屋根をいう。)は、建築基準法(昭和25年法律第201号)に定める耐火構造に統一します。
※東京都の場合、床面積が11㎡以上で容積が30㎥でかつ2時間耐火構造

盗難予防設備

保管設備の開口部は、鉄格子に限定せずシャッター、鉄製扉等の設備も認め、更に保管設備の盗難予防の補助設備として、非常警報装置の設置を義務付けます。この非常警報装置とは、機械警備のように高度なものの必要はなく、非常時に警報を発するベル、サイレン、ブザー等のような簡易な装置をいいます。なお、この非常警報装置が保管設備に近接する営業所、自宅、他店舗等に設置され、保管設備に設置されたものと同様の効果を有するものと認められる場合には、保管設備に設置する必要はありません。

防そ設備

保管設備の防そ設備は、従来のしんちゅう製金網に限定せず、ねずみの侵入防止のための設備であれば、金網、ねずみ返しなど種類、材質、数値等を問わないこととします。

仮保管設備の新設

保管設備の建替え、補修等を行う場合は、基準を緩和した仮保管設備の使用を認めます。

保管設備の注意点

  • 耐火金庫を保管設備とする場合にあっては、容易に持ち運びができない重量のもの、又は建物の床面に固定する等盗難予防の措置を確実に講じなければなりません。
  • 持ち運び可能な耐火金庫については、盗難予防措置が不備であり、適正な保管設備とはいえません。移動可能なロッカー、キャビネット等の事務器等も同様です。

人的要件:欠格事由

欠格事由に関しましては質屋営業法第三条に規定があります。

1禁錮以上の刑に処せられその執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、三年を経過しない者
2許可の申請前三年以内に、第五条の規定に違反して罰金の刑に処せられた者又は他の法令の規定に違反して罰金の刑に処せられその情状が 質屋として不適当な者
3住居の定まらない者
4営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人。ただし、その者が質屋の相続人であつて、その法定代理人が前三号、第六号及び第九号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
5破産者で復権を得ないもの
6許可の取り消し又は停止規定(第二十五条第一項)の規定により許可を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者
7同居の親族のうちに前号に該当する者又は営業の停止を受けている者のある者
8第一号から第六号までのいずれかに該当する管理者を置く者
9法人である場合においては、その業務を行う役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者がある者
10公安委員会が定めた基準に適合する質物の保管設備を有しない者

必要書類

申請書類及び添付書類備考
質屋許可申請書 記載事項は以下の通り
・申請者の本籍及び生年月日、申請者が法人の場合はその代表者その他業務を行う役員の住所、氏名及び生年月日
・営業所の名称及び所在地
・自ら質物を管理せず管理者を定めるときは、その住所、氏名及び生年月日
・法定代理人又は保佐人のあるときは、その住所及び生年月日
・公安委員会が質物の保管設備について基準を定めた場合においては、質物の保管設備の構造の概要
質物保管施設の構造概要書必要に応じて
質物保管庫に使用された設備の仕様書必要に応じて
建築確認通知書必要に応じて
検査済書必要に応じて
使用承諾書必要に応じて
営業所の平面図必要に応じて
営業所の周辺略図必要に応じて
履歴書法人の場合は役員、個人の場合は申請者、店舗に管理者を置く場合は管理者のものが必要
住民票の写し法人の場合は役員、個人の場合は申請者、店舗に管理者を置く場合は管理者のものが必要
登記されていない証明書法人の場合は役員、個人の場合は申請者、店舗に管理者を置く場合は管理者のものが必要
身分証明書法人の場合は役員、個人の場合は申請者、店舗に管理者を置く場合は管理者のものが必要
定款法人の場合必要
商業登記簿謄本法人の場合必要

許可証交付後に行うこと

許可証交付後、更新の手続きは不要ですが、下記の変更事項が生じた場合はその都度申請が必要となります。

変更許可申請

  • 営業所を移転した場合
  • 管理者を新設または変更した場合

許可証書換え申請

  • 申請書の記載事項に変更が生じた場合

※変更が生じたときから10日以内に変更届を提出し、許可証書換え申請を行わなければなりません。

許可証の返納

返納事由返納義務者
廃業したとき許可証の交付を受けた者
許可証の再交付を受けた者が亡失し、又は盗み取られた許可証を回復するに至ったとき 許可証の交付を受けた者
許可が取り消されたとき 許可証の交付を受けた者
名義人が死亡したとき同居の親族、法定代理人、管理者
法人が消滅したとき 清算人、破産管財人、消滅した法人の役員

料金

質屋営業許可申請サポート費用

価格個人:¥66,000(税込み)
法人:¥77,000(税込み)
対応地域神奈川県・東京都
サービス内容・申請書類作成
・添付書類の収集
・警察署における打ち合わせの同席
  • 上記料金とは別に下記の手数料が別途必要となります。
  • 郵便料金及び交通費は全額無料です。
  • 役員が2名以上の場合、2人目から1名あたり5500円(税込)の添付書類収集追加料金が発生します。

質屋営業許可申請に係る手数料

営業許可申請手数料 ¥25,000
営業所の移転許可申請手数料 ¥12,000
管理者の新設等許可申請手数料 ¥5,700
許可証再交付申請手数料 ¥1,300
許可証書換え申請手数料 ¥1,500

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